ヨーロッパの新たな動き 非犯罪化
+ カナビス組合
8月、スペインヨーロッパの多くの国では、個人使用目的でのカナビス(大麻、マリファナなど)の少量所持が非犯罪化されていますが、一方でのその栽培や販売は違法という不自然な状況が生じています。つまり、現状ではエンドユーザーがマリファナを購入する「小売業者」や「生産者」は「密売者」ということになってしまいます。これに対してまずオランダでは、免許制のコーヒーハウスという制度を設け、エンドユーザー(18才以上)が直接生産者と接触することなくマリファナを購入できるようにしました。これに対して、昨年オランダの20都市の市長が、栽培を含めマリファナを合法化するべきだと訴え、コーヒーハウスの現状が「パン屋にパンを売ることは許しながら、小麦の栽培を禁止するようなもの」であると批判しています。現在、このコーヒーハウスとは違ったやり方がヨーロッパの複数の国で登場してきていますが、これがカナビスクラブとかカナビス組合と呼ばれるものです。これは完全会員制の生協的な組合で、会員のためだけにマリファナを栽培し、原価で会員に分けるというものです。昨年10月、スペインのバスク地方にあるカナビスクラブの一つ「Pannagh」が警察の強制捜査を受け、会員と会員の委託を受けた畑の所有者が逮捕され、栽培していたマリファナが没収されました。これに対してバスク州裁判所は今年3月、検察側の訴えを退け、8月2日までに検察側の控訴がなかったために棄却が確定することになりました。棄却の理由として裁判所では、次の点を挙げてこれが最高裁が認める「共同利用」に当たるとしています: - 会員の前歴に問題がない。 - 組合が閉ざされた組織であり、会員以外は利用できない。 - 商業目的ではない。これに加え、犯罪組織が薬物の密売を行う場合は活動を秘密にする一方で、この組合は合法的に設立された市民組合組織であり、秘密性がないことも勘案されました。Pannaghの会員数は66人で、うち39人が医療目的に大麻を使用しています。EUの考え方は?これに先立つ2004年、ヨーロッパ議会のイタリア代表がこのPannaghの問題についてヨーロッパ委員会に質問状を提出していました。質問の要旨は、マリファナの個人使用が非犯罪化され、消費者組合の結成も認められている国において、個人使用を目的に結成された消費者組合に対して法的措置が執れるというのは矛盾しているばかりか、EU法で認められている権利の保障にも抵触するのではないか、というものでした。これに対してEU委員会の回答はきわめて明確で、EUには消費と所持に関連する活動を規制する権限はない、というものでした。EU加盟国は、違法薬物の商業売買に関わる活動については、国連条約やEU法に基づいて訴追する義務を負うものの、個人使用の場合はその義務は発生しないということでした。したがって、個人使用目的による栽培については、規制する権限は各加盟国に委ねられるということです。現在、このようなカナビス組合の取り組みは今回のスペインの他にスイス、ベルギー、オランダ、デンマーク、ドイツ、ポーランド、チェコ共和国などで盛んに行われています。今後はヨーロッパ20カ国以上に点在するこれらの組織をCannabis
Social
Clubとして束ねる動きも出てきています。この動きに関してはこちらの記事(cannabis
study
house)もご覧ください。
Posted: 日 - 8月 20, 2006 at 11:54 午前